科学サイト「LiveScience」が3月5日報じた記事によると、この度1800年前のエジプト人が書いた手紙の一部が買得されたという。
その手紙からその男性の人柄や気持ちが明らかになった。
差出人 アウレリウス・ポリオン
手紙を書いた当時、エジプトはローマ帝国の支配下にあり、志願兵としてローマ軍に入隊したポリオンはパンノニア(現在のハンガリー周辺)に赴任していた。
今回買得されたのは、彼が離れて住む家族にあてて送った手紙のようだ。
「みんなの事を心配しています。なぜなら私が送った手紙を何通も受け取っているはずなのに、返事を返してくれないからです。だから私は、みんながどう・・」
(それ以降破損)
「みんなが健康に暮らしていることを心より祈っています。手紙を書き続けますが、みんなの心に僕の姿はないのかもしれませんね。」
「何度も手紙を送りました。でもあなたたちは僕のことを他人のように扱う。」
「僕は司令官に休暇の許可を得てあなたたちに会いに行きます。そうすれば思い出してくれるでしょう。」
ポリオンの切ない、返事を求める気持ち、音沙汰のない家族を心配しながらも、返事がないことに腹立たしい印象が伺えます。
他の手紙から母親がパンを売って生計をたてていることや姉妹・兄弟がいることが読み取れたといいます。
このポリオンの手紙は、今から1世紀ほど前にイギリスの考古学探検隊(バーナード・グレンフェルとアーサー・ハント)により発見されました。
探検隊はナイル川に近い場所で(テプニュニス村)で沢山のパピルスを見つけた中にポリオンの手紙が含まれていたといいます。
今も昔も故郷や家族を思う気持ち、また故郷を離れた際に現れるホームシックという心理は今の私たちとなんら変わりわない。(モンペ・アザブジュバーン)
(参考TOKANA)